国語

高瀬舟 ③安楽死

後半のテーマは殺人とは? 庄兵衞は喜助に弟を殺した理由をたずねる。 ------------------ 喜「ワシは小さい頃に両親を亡くし、弟と二人になりました。まあ、その後は二人で頑張って貧しいながらもなんとかやっとりましたが、弟が病気で動けなくなったんです…

高瀬舟 ②欲

罪人・喜助の話を聞き、庄兵衞は思う。 庄(人は病気なら、元気やったらなあと思う。食ってけなければ、食っていけたらなあと思う。貯蓄がないと、貯蓄があればあなあと思う。貯蓄があれば、もっと額があればなあと思う。そうやって人の欲というのは歯止めが…

高瀬舟 ①足るを知る

およそ100年前の小説であるがいろいろと示唆的である。 高瀬川というと酔っぱらいが闊歩する木屋町のそばを流れるあの川。京都の罪人が流刑になると高瀬舟にのせられ大阪へ向かう。流刑とは、交通手段の発達した現代なら強制単身赴任みたいなもんだが、死罪…

アツシとシゲルの幸福②

まずは水木しげるより。 いろいろあるのだがひとつ抜粋する。『島』という短編。 エビスと大黒が不幸な人間を救おうと幸福の島を作った。 その島ではありとあらゆる欲望がかなうのである。しかし島の広さ的に100人しか入居できない。 うわさを聞きつけたモブ…

アツシとシゲルの幸福 ①

高校の国語の授業で山月記をやって以来、中島敦が好きである。 高校の時は単に変身譚というのと文章の音感がおもしろいな程度であったが、 大学卒業するあたりで読み直してみると李徴の自分語りが身にしみた。 “臆病な自尊心と尊大な羞恥心”っていうのはマー…

すーめろ⑥

最後。 この話は改心した王に対し群集が万歳するところで終わらない。以下のように終わる。 ひとりの少女が、緋のマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。 「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマン…

すーめろ⑤

次。 水を飲んで復活し、街へ走る。 なんとか間に合いセリヌンティウスと再会。涙をうかべて メ:ワシは途中で一度、悪い夢をみたし殴ってくれ。さもないと抱擁の資格もない。 察したセリヌンティウスは首肯し殴る。 セ:メロス、ワシを殴れ。ワシも一度だけ…

すーめろ④

次。 村を出て走る。ある程度走ると、まあ余裕で間に合うっしょとのんきに歩き出す。 全行程の半分くらいまできてからの濁流&山賊。自分の不幸を嘆きながらなんとか難を逃れる。そこで精根尽き果て動けなくなり長い一人語り。 メ:友を欺く気なんかないし。…

すーめろ③

次。 メロスは村に帰る。へろへろの様子を見て心配する妹になんでもない、街に用事を残して来たからはよ結婚式しよと準備を始める。そして相手の家にも行き、無理やり明日に式を行うことを承諾させる。 翌日の結婚式。わいわいと。メロスにはこのままここに…

すーめろ②

次。 王とのアーギュメント。 王:人間は私欲のかたまり。ワシかて平和を望んどる。 メ:(嘲笑)罪のない人を殺してなにが平和だ! 王:お前の心も見える、殺される時に泣いて詫びても聞かんよ? メ:うぬぼれろ!死ぬ覚悟はできている。ただ…妹の結婚式が…

すーめろ① (全6回)

2月はメロスの季節である。 走れメロス。ギリシャ神話とシラーの詩をベースとした、いわずと知れた太宰治のやつ。だれしも一度は読んだり読まされたりしたものであろう。 どのような印象を持っているだろうか。一般的な印象は、一本気な勇者メロスが人の心を…

momotaro

ももたろ とは日本人のソウルストーリーである。 しかしながら芥川かかれば鬼畜となる。 彼によれば鬼は元来、享楽的なものであり、鬼が島でのんびり平和に暮らしていたそうな。 そこへももたろが一念発起して退治に行くと言い出した。 じいさんばあさんは放…

yukichi5

自由とは権利であるが責任という義務を伴う。 至極当たり前のことであるが、それをわきまえない人は多い。ユキチの言葉。 “人は生まれつき自由なんやが、分限を知らんとわがままになりがち。分限とは天の道理に基づき他人の害になることをしないということよ…

yukichi4

ばかの罪は続く。 “ばかな民を抑えるには力あるのみ。『愚民の上に苛政あり』 これは政府のせいではなくばかな民が自分で招いたものだ。 逆に言えば、良い民の上には良い政府があるっちゅうこと。” 先の選挙での投票率はお察しであった。 投票していない人間…

yukichi3

個々人が実学を修め、身の独立をはかる。そしたらば国家も自ずと独立できるとな。 ゆきちの言葉を続けよう。 “世の中で哀れみ、憎むべきものは無知文盲だ。知恵のないのをこじらすと恥知らずになる。自分が無知文盲だから貧乏なのに反省もせず金持ちをうらむ…

yukichi2

ではユキチのいう学問とはなんぞや? “学問とは難しい古文をよんだり和歌や詩など実用性のないことをやれということやない(もちろん、こういうのも人の心をたのしましたりするもんやがね)。 中略 こういう実用性のないものはまあおいといて、まずやるべきは…

yukichi

福沢諭吉といえばお札である。 学問のすすめといえば『天は人の上に人を造らず~』というのはすらすらと出てくるであろうが、その続きを知らんということはままあるのではないか。 ひらたく続けると “天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずっていうけ…

市井の名言

"俺のすぐ行くの許容範囲は広い。 100キロ?すぐ行く。1時間で行く" 11/1 市内某所にて採集

切れ目

言葉の切れ目について考える。 間髪を容れず かん、はつをいれず 文字通り、間に髪を入れる隙間もない逼迫した状況のことから転じて即座に等に転じた言葉。 プエルトリコ プエルト、リコ(Puerto Rico) プエルトはポート、つまり港、リコは豊かな、金持ちな…

醒睡笑 56

夜が更ける頃。少年はかねてより思いつることをなそうとしていた。 こっそり部屋を抜け出し、足音を殺しながら階段を下りた。両親が寝静まるタイミングを待っていたためばれる心配はない。 庭へ出て、物干し竿を盗むと空へ向けておもむろに振り回し始めた。 …