2016-01-01から1年間の記事一覧

高瀬舟 ③安楽死

後半のテーマは殺人とは? 庄兵衞は喜助に弟を殺した理由をたずねる。 ------------------ 喜「ワシは小さい頃に両親を亡くし、弟と二人になりました。まあ、その後は二人で頑張って貧しいながらもなんとかやっとりましたが、弟が病気で動けなくなったんです…

高瀬舟 ②欲

罪人・喜助の話を聞き、庄兵衞は思う。 庄(人は病気なら、元気やったらなあと思う。食ってけなければ、食っていけたらなあと思う。貯蓄がないと、貯蓄があればあなあと思う。貯蓄があれば、もっと額があればなあと思う。そうやって人の欲というのは歯止めが…

高瀬舟 ①足るを知る

およそ100年前の小説であるがいろいろと示唆的である。 高瀬川というと酔っぱらいが闊歩する木屋町のそばを流れるあの川。京都の罪人が流刑になると高瀬舟にのせられ大阪へ向かう。流刑とは、交通手段の発達した現代なら強制単身赴任みたいなもんだが、死罪…

なつめる

夏目漱石の「月が綺麗ですね」の逸話。ドラマ・相棒でもふれられていたが。 漱石が英語教師時代に”I love you.”の訳として生徒が『我君を愛す』と言ったことに対し、『日本人はそんなこといわん。「月が綺麗ですね」とでもしとき』と言ったとか言わんかった…