うどんおでんだし①

“どん語”

とはもちろん“どん様”こと岡田アキノブ氏(ex阪神オリックス)の独特な言い回しの事を言う。聞く人間に対し高い洞察力を要求する言語である。

例:そら(どんでんが使ってるから)そう(どん語になる)よ

などと行間を各自で補って解釈する必要があるのだ。

この有名な基本フレーズ『そらそうよ』は、日常生活においても極めて汎用性が高く、著書のタイトルになるほど。

しかし、どん語の難易度の高さは一般人が到底マスターできるものでない。

高いどん語経験を持ち、阪神時代は通訳も兼ねていた元選手会長、赤星氏は明石家電視台にて当時のエピソードを語っている。

あるデイゲームの試合前にどん監督より「赤星、お前、きょうアレな」と告げられたが意味が分からず聞き返してしまったそうだ。ちなみに正解は「赤星、お前(は最近疲労が蓄積しているから)、きょう (は試合後半から出場の)アレな」である。

 

そんなどん様。批判は多いが熱い性格から信者も多い。

2005年9月7日。ナゴヤドームにて。

首位、阪神は2ゲーム差で迫る中日と対していた。3対1でリードした9回。関本のヒットで2塁から中村豊が本塁へ行くもタッチアウトの判定。「確かに左手が先に入った。自信がある。セーフだ」(中村豊:談)との抗議ももちろん実らず。

その裏、中日・アレックスの同じような本塁クロスプレーでセーフの判定。阪神一同は激オコ。平田コーチは退場処分。どん監督は選手を引き上げさせ試合は中断。放棄試合も辞さない覚悟であったが球団社長の一声で試合は再開する。

余談であるが後に放棄試合になった場合阪神が3億の弁償金を支払わないといけないと聞いたどん監督は「正直、没収試合にせんでよかったと思った。こら試合せなあかんな。いくら監督が責任とるゆうても3億はなあ」と述べている。

再開後も赤星のエラーなどで満塁のピンチを迎える守護神、久保田に対して監督就任後初めてマウンドへ言ったどん監督の台詞。

「打たれたらええ。むちゃくちゃにしたれ。こんなんで負けてもお前のせいやない。責任は俺がとる。むちゃくちゃほったれ(でもインコースにね)」

開き直った久保田は連続三振でピンチを切り抜け、11回の中村豊のホームランで勝利する。

その勢いのまま2005年は優勝したのであった。

 

①どん